政府がまとめた総合経済対策に、生活支援として定額減税、
高速道路料金引き下げ、小麦の値上げ抑制などに加え、
年内で期限が切れる住宅ローン減税の延長と拡充案が盛り込まれました。
国土交通省の案では、延長する期限は5年、減税対象の借入額上限を上げるもの。
現行の制度では、対象額と控除率、控除期間はどのような住宅でも一律であったが、
延長拡充案では、200年住宅と省エネ住宅の場合に限り、控除対象借入限度額を上げ、
さらに控除率も増やし、控除期間も引き延ばす。
この結果、減税の最大控除額は増え、一般住宅との格差が出ることになる。
≪国土交通省案≫
現行一律:2,000万円、10〜15年、0.5〜1%→最大控除額160万円
一般住宅:3,000万円、10〜15年、1%→最大控除額300万円
200年住宅:3,600万円、15年、1.2%→最大控除額650万円
省エネ住宅:3,300万円、10年、1.2%→最大控除額400万円
※最大対象額、控除期間、控除率→最大控除額
さらに、この国土交通省案に対して、
財務省は一般住宅向けの拡充には慎重な態度を示しており、延長はされても、
拡充の部分が200年住宅や省エネ住宅のみとなれば、さらに格差は拡がることになる。
この200年住宅となるのは、長期優良住宅の普及の促進に関する法律(省令)で
定められた規準をクリアし認定されることが必要。
ただし、明確な基準は表示されていない。
≪現在示されている基準≫
・維持保全の期間が30年以上であること
・定期的な点検補修などの計画が策定され、点検履歴が蓄積されること
・腐食の防止(耐久性)、地震に対する安全性(耐震性)の確保
・状況変化に対応した構造・設備の変更が容易であること(可変性)
・維持保全を容易にするための措置
・バリアフリー、省エネルギーの誘導基準に適合するもの
これらの規準がどの程度まで要求されているのかは、
具体的な基準ができていないのでなんとも言えませんが、
住宅性能表示を受けて、それなりの基準にあれば技術レベルはクリアできそうです。
おそらく一番厳しい部分は、建物の維持管理計画の策定と
点検履歴の蓄積(住宅履歴書)への対応でしょう。
この点に関してクリアできる建築会社は、かなり限られてくるのではないか。
大手ハウスメーカーでは既に対応済みの会社もあるが、
建売分譲会社や一般工務店では難しく、
さらに分譲会社の倒産が増加していることからも分かる通り、
長期的なフォロー体制への信頼と安心を得るのは容易ではない。
性能表示や建物保証など、建築の制度ができる度に
いろいろな第三者機関などが設けられたことから、
住宅の履歴や点検補修などの計画策定と実施をする機関なども設けられるかもしれません。
(そうしないと建売業者や中小工務店は生き残りが厳しい)
また、200年住宅に認定されると、
今回の住宅ローン減税以外にも様々な優遇措置がございます。
≪主な200年住宅の優遇措置≫
・登録免許税の税率優遇
・不動産取得税の控除枠優遇
・固定資産税の優遇
・住宅ローンの借入期間の長期化支援(現行35年→50年)
これらの200年住宅の優遇を見ていると、住宅取得者の資産形成、社会資本形成、
環境対策などから、この200年住宅を普及させたい意向がひしひしと伝わってきます。
この200年住宅普及は新築時だけの取り組みでは片手落ちで、
建物の長期耐久→資産形成のために→適正な評価→中古住宅流通市場の整備が必要になる。
このために維持管理計画の策定と実施、住宅履歴書の整備がある。
200年住宅の取り組みそのものは、反対する政党がなかったくらい、
誰が見ても良いものである。
逆に、これから買う人は、200年住宅に認定されないと、
家計的にも資産的にも厳しくなるということが、国から言われているようなものです。
200年住宅(もしくは省エネも)でないものは不利になり、
中古住宅としての価値が下がるということになり、
中古住宅市場に出しても売りづらくなるということ。
そして、これからの10年、20年後は中古住宅の時代が来るのではないだろうか。
ここまで考えて、住まいの購入を判断して欲しい。